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田中栞の豆本ワークショップレポート [製本・製本キット・道具]

豆本虎の穴修行・12時間製本耐久レース第二弾!ということで
先日、田中栞先生の豆本ワークショップに参加してきました!
今回は丸背ハードカバー箱付きという豪華な豆本を作ります。

本の背には丸背と角背があります。

これが角背          これが丸背        これは猫背(^m^)
角背.jpg丸背.jpg外猫だったころ.JPG

家にあるハードカバーはほとんどが丸背です。
丸背のほうがページがめくりやすいのかな。
背を丸くするという工程が増える分、手間がかかります。
本来は何日もかけて行う作業ですが、
一日で箱まで作ってしまうという田中栞マジック

まずは本文を綴る作業から。
今回はリンクステッチという綴じ方を習いました。
とじ終わったところ.JPG中の糸.JPG

おわっ、写真で見ても緩いのが分かりますね。
締めすぎてもダメ、緩すぎてもダメという、微妙な手加減のいる作業です。
覚えれば何折の本でも作れるようになります。練習あるのみですね。

次に背を丸める作業。下の写真中央、黄色い袋の中にある
クランプで紙を締めあげて背を金槌でとんとんと叩いて丸くしていきます。
綺麗なカーブを出すにはこれまた微妙な手加減が必要です。
先生に手伝っていただいて何とか形になりました(^^ゞ
道具.JPG

後は表紙をつけて本は完成。豆だけとちゃんと丸背になっています豆丸背.jpg

次に箱作りに取り掛かります。

箱のオモテを上にして本を出せば、
本のオモテが上にくるように作るためには……
箱と本の表1.JPG
同じ向きから見たときには、本と箱のウラオモテは逆になる箱と本の表2.JPG

(-。-)???…………混乱してきませんか。
先生は「これはよく間違えます。プロでも間違える人がいますよ」
とおっしゃっていたのですが、
実はこの日先生に見ていただこうと持参していた
私の豆本の試作品がまさに逆だったのでございます(^^ゞ
いやあ、習いに行ってよかったよかった。

豆本の場合、ぴったりな箱に納めてしまうと
なかなか取り出せなくなることがあります。
今回は箱のリボンを引くと中の豆本が
ひょこんと出てくる仕組みを教わりました。

記念写真.jpg

家に帰ってからリボンの先にチャームをつけてみました。可愛い(*^_^*)チャーム.JPG

本日の作業は終了。そのあと、先生の膨大な蔵書の中から
貴重な豆本や稀覯本を見せていただきました

★おり.jpg★ステンドグラス.JPG★金の文字.JPG★銀の文字.JPG★武井刊本.JPG★西洋の豆本.JPG

あっという間に時間が過ぎ、家に着いたのは夜中近く(^^ゞ
有意義な一日でした。田中先生ありがとうございました。

<お知らせ>
神田神保町の東京堂書店創立120周年記念
「田中栞の豆本づくり」フェアが3月1日~14日
東京堂書店ふくろう店にて開催されます。

ワークショップあり、先生の蔵書の展示あり
(上で紹介した本も展示されるようですよ)
さらには本に関する「なんでも相談室」ありと盛りだくさんな内容です。
製本に興味はあるけど、何から始めよう?という方
おすすめですよ~(^◇^)ノシ


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活版印刷体験記 [製本・製本キット・道具]

赤井都さんが主宰されている
「豆本がちゃぽん」豆本フェスタ出張版にダメもとで応募してみたところ
審査に合格しました\(*^_^*)/ヤター

現在「豆本がちゃぽん通常版」が東京堂書店3階で実際中
私も先日
体験してきました。
蓮月堂さんの『若山牧水歌集』を引き当てました。
蓮月堂.jpg

わずか100円でこのように可愛いらしくも多彩な豆本がゲットできる
ごキゲンな「豆本がちゃぽん」。ぜひ皆さんも一度お試しください。

ついては赤井さんから豆本を詰めるカプセルを
分けていただけることになり、先日再びお宅をご訪問いたしました。
カプセル.jpg

いやはや、ファンタスティックな光景です。
これ全部に豆本を詰めなくっちゃならない。
雉虎堂第一次五カ月計画始動です!![手(グー)]ガンバロー

さてその際赤井さんから、
「テキンで印刷したいものがあるのでよかったら体験してみませんか」
とのお申し出、ラッキーにも活版印刷体験ができることになったのです!

こちらが赤井家にある印刷機
印刷機.JPG

印刷業界では「テキン」、正式にはプラテン印刷機というもの。
平らな刷版に、印刷用紙を平面で押圧するタイプの印刷機です。

ローラー.JPG

画面上部にある円盤にインクを塗り、左手のレバーを動かすと、
下にあるローラーがインクを中央にある刷版に塗りつけ
ついで手前にある紙が持ち上がってぺちょっと刷版にくっつき
印刷できるという仕組み……上手く説明できません(^^ゞ
現役の機械の動画を見つけました。(大きな音が出ます)

このがっちゃんがっちゃんいう動きを人力で行うものです
いや、結局よくわからないですね(^^ゞ

赤井さんによれば、付属品の一部に「昭和6年」の年号があったとのこと
戦前から使われていることは間違いないでしょう
大戦を乗り越え、オーナーを変えつつも、いまだ現役で動くとは
何とも頼もしい限りです。この頑丈さは鋳物ならではでしょうか。

この印刷機の前の前の持ち主は種苗業者の方で、
これで種を入れる袋などを造っていらしたそうです
しかしMacを買ったので手放した由
テキンからコンピュータとはまた急激に近代化したものです(^^ゞ

インク.JPG版組.JPG

インクを出したり、活字を調整したり
一連の作業は赤井家の玄関で行われております。
まさかこんな一般の住宅の中で印刷が行われているとは
ご近所さんも思いもよらないことでしょう。
地下出版をするパルチザンのような気分です。( ̄ー ̄)

この日印刷したのは住所氏名が書けるカード。
個展の芳名帖として使うものだそうです。
私も何枚かいただいてきました。

できました.jpg

封筒や和紙などいろいろな紙に印刷してみましたが
一番綺麗に文字が出たのはティッシュペーパーでした。

ティッシュにもすれる.JPG

Macじゃティッシュに印刷はできません。テキンならではです。(*^_^*)

帰ってさっそくこのカードを使って郵便物を出すことに。
とても味わいのある可愛い出来ばえです。

住所カードとスタンプ.jpg

手前にあるのは、現在恵比寿のPlatformで開催中の
『赤井都個展 小さなワークスペース』でgetしたスタンプカード。
これも赤井さんがテキンで印刷されたものです。
豆という字とヘラのスタンプを押してきました。
これから開催される二つの個展でもスタンプが押せるとのこと
全部集めると何かいいことあるかな~(^m^)?

赤井都先生、貴重な体験をありがとうございましたm(_ _)m

<もうひとつうれしい出来事>

冬蕾.jpg

冬雷短歌会の雑誌『冬雷』に田中栞さんが「本を作る」という
連載をしていらっしゃるのですが
その中で雉虎堂の豆本を紹介してくださいました。

冬雷.jpg

おお、猫社長がかっこよく写っています。(*^_^*)
せっかくなので、活版印刷住所カードを使って
実家の両親に送りたいと思います。
田中先生ありがとうございましたm(_ _)m


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箔押しワークショップレポート [製本・製本キット・道具]

豆本界のカリスマ赤井都さんのワークショップを受けてきました。

幸いお天気に恵まれまして、赤井さんのお宅の最寄駅からそぞろ歩いておりますと
途中の小さな公園に猫だまりを発見!
金箔しろこ.jpg金箔とらお.jpg

四匹もの猫が日向ぼっこしていました。これは幸先がいいぞと
砂場から写真を撮りまくったのですが、ふと足元を見下ろせば
なにやらが累々と……あ、この砂場、巨大猫トイレだ(゚Д゚;)

とまあバカなことをやりつつご自宅兼工房に到着いたしました

まずは、未見の旧作をいくつか拝見
アメリカのミニチュアブックソサエティのコンペティション入賞作
『雲捕獲計画』はまさに”雲”そのものでした。
また以前にギャラリーみずのそらで拝見した
『MAHO‐NIKKI』の制作過程も見ることができました!

箔押しは、活字を熱して行うものと
アイロンでトナーに転写するタイプのものと2パターン教わりました。

その後のティータイム、なんとこのケーキとスコーンは
赤井さんのご主人の手作り!(ё_ё;)
CIMG2711.JPG

とにかく激烈においしかったです。
豆本のコレクションをたくさん見せていただき、さらに
拙作を見ていただいてアドバイスを受けることができました。

というわけで大変勉強になったのですが、問題は「箔押し」でして。

そもそもなぜ私が箔押しを習いたかったか。
東洋文庫.jpg

平凡社「東洋文庫」を豆本化したいという野望のためです。
凛とした角背に金文字のタイトル。ストイックな緑の布の表紙に空押し。
そして箱付き。高校の図書館の書庫で見かけて以来の、
あこがれの造本・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:

今回教わった箔押し、原理は単純で
市販されている熱で溶ける金属箔のシートに熱した活字を押しあてるというもの
紙、布、革など何にでも金や銀の文字を入れることができます。 
ワークショップでは、活字ホルダーという道具で活字を固定し
電熱機で熱していたのですが、うちには電熱機がありません。
しかも活字ホルダーは一万円以上するとのこと。
金額もさることながら2LDKの家にこれ以上道具を増やせない

そこでまずは活字をガスコンロであぶってみました。けましたっ\(゜ロ\)
次に、オーブントースターで焼いてみました。
沸騰しましたっ (/ロ゜)/

解けた活字.jpg

はからずもサルバドール=ダリの世界(;一_一)

その後幾度かの試行錯誤の末到達した結論。
箔押しがしたかったらちゃんと道具買え。

かわりのもの.jpg

左はもんじゃ焼きのヘラ。これに活字を挟んであぶろうとした。
上は魚のとげぬき用のピンセット。これに活字を挟んで以下略。
そうか、私ってバカだったんだ。\(T◇T)/アハハ~

右端の道具は革加工用のものでこれは直火でもびくともしません
それをつかえば、金属箔で模様をつけることは可能です。
豆本用のミニ栞を作りました。あまり可愛くありませんが(^^ゞ

まめしおり.jpg

東洋文庫はとおいなあ~(;一_一)


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銀座「中村活字」+雑司ヶ谷「ひぐらし文庫」探訪 [製本・製本キット・道具]

今週の土曜日、
赤井都さんの箔押しワークショップに参加します!\(*^_^*)/

あこがれの金箔文字のある本が作れるというのももちろんですが
赤井都さんにお会いして豆本についていろいろうかがえるのも
ご自宅の工房を見ることができるのも楽しみです。

それに先立ちまして、先日、赤井さんに同行して
活字を買いに行くというイベントがありました!

活字1.jpg

活字って個人で買えるんですね。(ё_ё;)ビックリ
もうすぐなくなってしまう歌舞伎座の前で待ち合わせです。
赤井さんは予想通り「魔法が使えそうな」素敵な空気感の女性でした。

銀座の表通りを一本入ったひっそりとしたたたずまいの一角に
「中村活字」という会社はありました。創業90年以上の老舗だそうです。
壁一面に『銀河鉄道の夜』でジョバンニが拾っていたような
鉛の活字が入った木の箱がびっしり!
一本数十円という思ったよりリーズナブルなお値段、ただし
箔押しに使う際には熱するため、柔らかい鉛の活字は溶けてしまうらしく
基本的に消耗品だということでした。
すぐ使えそうな文字を数種類と、「花型」という模様の活字も数種類購入。
帰ってさっそく消しゴムハンコ用のインクでぺたぺた押してみます
文字を押すと2.jpg名刺.JPG

名刺の「雉虎堂」の下と四隅におしたのが花型です。
ふふふ。これを金箔で押したらさぞ綺麗だぞ。今から楽しみです。

そして、昨日は初の雑司ヶ谷探訪です。
お目当ては新刊書、古書、雑貨を扱う「ひぐらし文庫」というお店
豆本フェスタのチラシを置いてくださるということで
「吾輩は脂取り紙である」を量産して持って行ってきました。

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うれしいことにこのお店には柴田尚美さんの豆本キットがあるのです
売りきれないでよ~と念じていたのですが無事、getできました(^◇^) 

おまめきっと.jpgおまめキット完成.jpg

ありゃりゃ、糸ががたがたになってしまった(^^ゞ
柴田さんの本を読めば作り方は分かるのですが
表紙の素材や糸の太さはやはり実物でないと分からず。
これを参考に溜まってきた布を使って和綴じの文庫を作ろうという
思惑があるのです。(^m^)フッフッフ

「ひぐらし文庫」はカフェでもあるので、
珈琲とパウンドケーキをいただきながらしばしオーナーさんとおしゃべり
その間にも、可愛い雑貨や猫がらみの本がしきりに誘惑してくる(^^ゞ
なかなかキケンな場所でした。ケーキも美味おいしかったです
(*^_^*)
お店へのアクセスはこちら↓。
営業時間12:00~20:00 火曜定休だそうです。 

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さて、いま話題の「わめぞ(早稲田、目白、雑司ヶ谷)」エリア
せっかくだから散歩しようと思ったものの、なんだか空模様があやしく
鬼子母神だけお参りして帰ってきました。

私の猫センサーはかなり高い猫濃度を感知していたのですが
残念ながら日差しがないせいか猫との出会いはありませんでした(T_T)
今度行くときには、猫を探しながら池袋まで歩いてみようと思います。

<おまけ>お留守番ばかりで不機嫌な社長

き~ば~.jpg


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スミヤキストQの失敗 [製本・製本キット・道具]

今回は、古い文庫本のリメイクにチャレンジしてみました。
テキストは、山崎曜『もっと自由に!手で作る本と箱』文化出版局
遊び心と実用の美を備えた楽しい作例がたくさん紹介されています。

手で作る本と箱.jpg

山崎さんのサイトはこちらhttp://www.honnuova.com/

このところずっと並装の豆本ばかり作っているので
ハードカバーの作り方の復習も兼ねてやってみることにしました。
倉橋由美子好きの主人の蔵書から『スミヤキストQの冒険』の文庫本を拝借
表紙をはがして表裏に見返し紙、背に寒冷紗、花布、栞紐、クータを貼りますスミヤキスト表紙を外した状態.JPGスミヤキスト本体.JPG
普段豆本を作っていると文庫本でも大きく感じます(*^_^*)

さて、豆本作製で表紙を本文に接着する際不可欠なのがこちら
プレス地蔵.JPG

プレス地蔵です。体調を崩した私を気遣って実家の母がくれたものなのですが
豆本のプレスにちょうどいい大きさと重さで大活躍しています。
でもさすがのプレス地蔵も文庫本サイズのプレスにはちょっと頼りないなあ。
ようし、奥の手だ!

プレス地蔵グランデ.jpg

じゃじゃ~ん。プレス地蔵グランデ
このお地蔵様は主人のものです。
なんでこんなものを持っているのかよくわかりません。
普段は台所の一隅に安置しているだけなのですが
今回はプレスに一役買っていただきました。
どんだけ地蔵があるんだっという突っ込みの声が聞こえましたが
大丈夫、2体だけです(^^ゞ。

で、こちらが出来上がった作品。スミヤキ背.JPG
なんだかそれなりに雰囲気が出ているような気がしますね。
ステンシルで苦労してタイトルを書きこんだ甲斐がありました。
途中で力尽きて著者名は入れられませんでしたが。

しかし、総じてこれは失敗作なのです!(>_<)
まず背ボードの幅が広すぎました!この失敗もう何回目でしょう。
定規のメモリの読み方が甘いのかなあ
さらに天地のチリの幅が違う!これも何度もやっている失敗です。
チリの出方.JPG

「典型的な失敗例」として製本教室に
置いておくとよさそうな物体が出来上がりました。
そもそも文庫本ってハードカバーにすると読みづらいです(T_T)
ただ読むだけならソフトカバーのほうが断然いいですね
これは、本を、ただ読むためのものから、記念品、愛蔵品にするための作業。
である以上、やはり細部まで美しく仕上がらないとダメなのです。

とはいえわがスミヤキストも世界限定一冊の稀覯本です。大切にしましょう。


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「田中栞の一日製本教室」レポート [製本・製本キット・道具]

先週「豆本虎の穴に行って修行してくる」と予告しましたとおり
去る、12月13日

田中栞さんの一日製本ワークショップに参加してまいりました~\(^◇^)/

朝10:00からなんと夜の9:30まで!!(ё_ё;)
普通の製本教室
なら数カ月から半年くらいかける製本の基礎を
一通り、1日で学ぶことができる大変お得なワークショップです

カリキュラムの一端をお伝えしますと
[ひらめき]1折中綴じ:凝ったかがり糸を使っておしゃれに
[ひらめき]2折中綴じ:1折を
ミシンのように縫って、くるりとひっくり返すと2折に!
        これは汎用性が高そう
[ひらめき]洋 本:本かがり角背上製本。いずれは作りたい厚みのある本のために
        いままで謎だった「花布が本文から離れる」現象は
        市販の堅い花布を使っていたためだと判明。また
        溝をつける本当の意味(本文を抱き込むように)も分かり
        目からうろこがばらばら落ちました
        鬼門の化粧断ちもどうやらコツがつかめたような気がする!

[ひらめき]和装本:四つ目綴じ。
        以前和装本のキットで挫折した
こよりを使った仮綴じの実演を
        見ることができました
[ひらめき]折 本:アコーディオンのようにぱたぱたと紙を折って造る本
        簡単なようですが、一人でやると曲がる!ずれる!曲がる!
        しかも前小口が折り目なので化粧断ちで修正出来ないのです。
        今回、型紙を使っておる方法を教わったのでさっそくトライしてみます

[ひらめき]おしながき製本:一枚の紙を折って切り込みを入れるだけでできる
        正式名称はわかりませんが、これもまたやってみたい
[ひらめき]折り紙豆本:折り紙を折っていくだけでちゃんと本が出来る!
[ひらめき]消しゴムハンコ:希望者のみ
        仕上げを先生が手伝ってくださるのでとてもきれいに出来ました

一番の眼目は、作業の合間に先生が話してくださる
本にまつわるお話、出版業界、古書業界の裏話など
とにかく、12時間があっという間でした!

こちらが私が作った消しゴムハンコの作品。なんと四版四色刷り
(鉛筆でサインが入っていますが本名なのでぼかしました(^^ゞ)
一日製本教室消しゴムはんこ1.jpg

ヴィトゲンシュタインの本で見て以来気に入っているだまし絵です
見る方向によってうさぎにもアヒルにも見える絵、のはずなのに
画力がないのでうさぎにもアヒルにも見えません┐(´∀‘)┌ハッハ~
それも含めてとっても気に入っています。落款印は先生があっというまに
作ってくださいました(*^_^*)

ご一緒した方が作られたクローバーのハンコもとてもかわいかったです。

一日製本教室和装本.JPG

和装本(天地14センチ)。表紙と題箋の取り合わせが気に入っています。
和装本は意外にも洋本より手軽にできました。
以前市販のキットでさんざん苦労したのがうそのよう。
にもかかわらず耐久性に優れたものだということがわかりました。
豆本にしても味があるので、ぜひまたやってみたいです。

一日製本教室洋本.JPG

洋本(文庫本サイズ)。
「二日間は絶対あけちゃだめ!」と厳しく言われているので
まだ、溝に紐をかけたままです。
自分ひとりでやった時にはあんなに手こずった花布づくりが
不思議なほどするっと出来ました。芯にする素材のせいかなあ
撮影が終わったら急いでプレスに戻します(^^ゞ

豆本ではありますが、ある程度の期間、自分で製本にトライしてきて、
出来ないところ、分からないところがいくつか具体的になってきた
そういう、今の私にぴったりの内容でした。

****************************

本が売れないといわれて久しいですが、無理もないことだと思います。
単純に情報を得るだけならネットワーク上のデジタル情報のほうが
検索性も高いし、コストも安い。紙媒体にはないスピードと双方向性もあります。
そんな情報化社会のなかで、本【紙媒体+活字文化】が生き残るためには
装幀まで含めて一個の作品となっているような本
ものとして存在することに意味のある本が必要なのではないでしょうか。
そう考えれば、手製本や少部数の希少本などを作る人々とその愛好者たちは
紙媒体+活字文化の最後の砦とも言えるわけです。

そして豆本づくりは、「ものとしての本」の魅力に再会するとてもよいフィールド。
少なくとも私にとってはそういう出会いだったな……
10時過ぎの帰りの電車の中、朦朧とした頭でそんなことを考えました。


タグ:製本
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『豆本づくりのいろは』レポート [製本・製本キット・道具]

赤井都さんの『豆本づくりのいろは』ついに届きました~\(*^_^*)/バンザイ豆本づくりのいろは表紙.jpg

赤井さんの豆本は、単に可愛いとかきれいとかだけではない
一抹の憂いを含んだ詩的でノスタルジックな雰囲気が魅力
そうした作品の写真を見てるだけでも(´∀‘)ウットリ

一方で、作り方の説明は懇切丁寧でこれなら私にも作れそうです!ガンバレば……

さらにこの本、オレンジ宇宙工場さん、九十九耕一さん、流川透明さんといった
多彩な作家の豆本作品が写真入りで紹介されており、
いわばニューウェーブ豆本(私の造語ですが)のカタログとしても見ることができます

一粒で三度おいしいおススメの一冊です!

さて、私は赤井さんのHP『言壺』から購入したので、サインとおまけ付きですいろはのサイン.jpg

「それでも、わたしたちには物語がある。赤井都」く~っかっこいい!!

おまけはと言いますと、赤井さんの名作『手紙』三部作から
「第二の手紙」が製本前の状態でついてきました!!
手紙.jpg第二の手紙中.jpg

製本といってもこれはアコーディオン式の豆本なのでパタパタと折っていくだけ!第二の手紙広げた状態.jpg

ちょっと曲がったけど出来た出来た(*^_^*)
『豆本づくりのいろは』ではこれを閉じた状態に保つための
素敵な革の留め具の作例が紹介されていたので、さて、やってみるか

第二の手紙.jpg

??全然ちが~うっ(#ーдー )!! 
なんですかこの大移動中のゲルマン民族の財布みたいなのはっ(T_T)
しかもサイズが合ってないじゃないですかっ!![むかっ(怒り)]

というわけで社長の謝罪会見です。
社長謝罪会見.jpg

結局、ほかの作例で紹介されていた本を収める封筒をアレンジして
ブックケース的なものを作って入れることにしました手紙封筒.jpg

封筒っぽい形が手紙をテーマにした豆本に似合っている
すくなくとも、ゲルマン財布よりはいいかなと思うんですが(^^ゞ
どうですか社長?

社長訓示.jpg


タグ:豆本 赤井都
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竹尾見本帖探検+『造本解剖図鑑』+ブックデザイン [製本・製本キット・道具]

豆本ワールド(?)に入り込んでから、あちこちで目にするようになった
竹尾」という名前、どうやら神田にある紙の専門店らしい、ということで
先日探検に行ってきました!

竹尾見本帖本店http://www.takeo.co.jp/site/shop/central/index.html

第一印象は「実験室」。ガラス張りの広い店内は壁面も床も真っ白
そこにずらっと白い棚が並んでいて、無数の紙のサンプルが置かれています。
さまざまな色、厚み、質感の紙を、目で見て触って確認できるのが素敵です。
欲しい紙のサンプルをカウンターに持って行って枚数を伝えると
店員さんが白い壁面の引き出しから該当する紙を出してきてくれる、という仕組み竹尾紙2.jpg

柄や模様のあるものは少なく、無地の紙が圧倒的に多いのですが
一言に無地といってもいろいろな表情があるものだと感心いたしました。
豆本にすることを考えオーソドックスなものを中心に数枚購入
私が買ったものは一番高いものでもA4で50円しなかったのですが、
主人には「もやしが一袋買えるじゃない」と言われてしまいました(-_-)
たしかにファンシーペーパーは夕飯のおかずにはならないけれど
こんなに幸せな気持ちになれるんだから イイジャナイカ( ^o^)

後日、こんな本を見つけました
ミルキィ・イソベ監修『紙から読み解く本づくりの極意 造本解剖図鑑』
造本解剖図鑑.jpg

私が「ブックデザイン」なるものを最初に意識したのは
笙野頼子さんの『タイムスリップコンビナート』でした。タイムスリップコンビナート2.jpg

この写真では分かりにくいですが、カバーの紙は
きらびきというのでしょうか、光をキラキラ反射します
当時文芸書(しかも芥川賞受賞作)でこんなにキラキラした表紙は
珍しかったはず。これは一体だれが?ということで興味を持ち
そこで「ミルキィ イソベ」さんという装幀家を知ったのです

そのミルキィさんが監修する『造本解剖図鑑』は、その名の通り紙の図鑑のような本です
本のなかで、多彩な紙がどのような理由で選ばれ
どんな効果をあげているのかが詳しく解説されています
中には竹尾の紙を使用したものもあり、なんだか嬉しくなりました

モノづくりの現場の臨場感にあふれたこの本、
巻末には少数ながら用紙見本が綴じ込まれていて、
自分でその紙に触りながら、解説を読むことができます。オススメデス\(^^)/

豆本からは話がそれますが、装幀つながりで最近読んだ本のことも
サイモン・シン『ビックバン宇宙論』新潮社ビッグバン宇宙論.jpg

私たち夫婦はサイエンスライターのサイモン・シンの大ファンです
この本についてもいくらでも熱く語れるのですが、それはちょっと置いておいて
宇宙空間にふわりと浮かぶ皮装幀の本。内容としっかりマッチしていながら
上下巻色違いでさりげなく自己主張もする素敵なデザインだなと思い
デザイナーを確認したら「装幀 吉田篤弘 吉田浩美」の文字が

あ、クラフト・エヴィング商會だ!!(^o^)

クラフトエヴィング商会.jpg

大好きな本を大好きなアーティストの装幀で読めるなんて
ダブルで幸せ(*^_^*)です!


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製本素材+MARUMIZU-GUMI+革ストラップ [製本・製本キット・道具]

豆本を作り始めるまでは、手製本素材専門店なるものが
存在するなんて知りませんでした
私がこれまでに道具や材料を入手したのは以下のお店です

①水道橋の製本工房リーブル
②御茶ノ水の美篶堂
③新宿の東急ハンズ
④板橋の「MARUMIZU‐GUMI」

「まるみずぐみ」は、東武東上線ときわ台駅から
五分くらいのところにあります
ここはA4サイズから製本用クロスが買えるのが何より魅力
以前にupした「お守り豆本」で使用した
緑地に金の鳳凰が浮かぶクロスもここで買いました

お守り豆本.jpg

こんな風に鞄につけて使っているのですが
色合いも柄も作品の雰囲気に合っているし
なによりつるつるとした感触がとても気に入っています

このとき、お店の方に勧められたのが一枚革で作る豆本ストラップですまるみず組皮製本ストラップ.jpg

豆本を作り始めたときに、「革装丁でタイトルは金の箔押し(^◇^)」
にあこがれ、東急ハンズで安売りしていたはぎれ革の詰め合わせを購入したものの
革装丁は手製本の中でも最高の難易度でとても素人に出来るものではないことが判明
この革どうしよう……と困っていたのです
「これができればあの革の活用方法も思いつくかも」とトライしてみることにしました!

革は布とも紙とも違う質感で針先は意外とスムーズに通るのですが
針を通しきるのに力を加えると伸びてしまって結構手こずりました(TT)

というわけで30分程度の苦闘の末完成したのがこちら皮豆本6.jpg

うわあ、ぬい目がガタガタ。お恥ずかしいかぎりです。

中はこんな感じ。
皮豆本45.jpg

家族の誕生日や、料理をしていてよく「なんだっけ」と思うことを
書いておけば、その都度パソコンを立ち上げなくて済むかなと
料理も裁縫も苦手なのがばれてしまいました(^^)[あせあせ(飛び散る汗)]

このブログを訪れてくださる方の中に
「豆本の作り方」という検索キーワードからの方がいらっしゃるようなのですが
以前にupした私の説明では絶対にちゃんとしたものは作れません
MARUMIZU-GUMIのホームページにある
「かんたんせいほん」がお勧めです
何度やっても上手くいかなかった布の裏打ちは
ここのサイトを見てはじめて成功しました!

というわけでお気に入りのお店なのですが難点は少々家から遠いところ(;一_一)
でもネット通販があるので大丈夫。素敵なクロスがいっぱい!!
お財布にとっては危険なサイトですよ~(*^_^*)


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美篶堂ワークショップレポート [製本・製本キット・道具]

ついに、美篶堂の製本ワークショップに参加してきました!!

無線綴じ角背上製本を作る2時間半のプログラムです
本文紙はすでにきちんと裁断され二つ折りにされ
背ボールも平ボールも表紙用の紙も全部サイズに切ってありました

みすず堂ワークショップ.jpg
この作業が一番大変なんですよね(^^[たらーっ(汗)]
下ごしらえはみんなお付きの人がやってくれる
「お姫様のお料理」みたいでした

出来上がったノートがこちら

CIMG1947.JPG美鈴ノート48.jpg

我ながら気恥ずかしくなるようなメルヘンなパステルカラーの取り合わせ
先生は「かわいいですね」と言ってくださいましたが
一緒に参加した方たちの色の取り合わせがどれもとてもおしゃれで
う~ん、こういうのもセンスの良しあしが出るなあと思った次第です

今回勉強になったのは
1)無線綴じで糊を紙の間にちょっとだけ入れるテクニック 
2)本文紙を二つ折りする場合きっちり折るための「水ひき」のテクニック
3)製本用の特殊な糊「生ボンド」の扱いについて
4)本文と表紙を合体するときのコツ

などなど。さっそくこの技法を応用して豆本を作ってみようと思います!

出来上がったノートは豆本制作の構想を練るためのものに活用中
表紙に何の模様もないとどちらが表かわからないので
チャームをつけましたがこれ実は大安売りで入手したピアスのパーツ
モケピアス2.jpg

このもけもけした毛だまを止めている金属の部分だけをひっぱがして
貼りつけました
あまったもけ玉は猫社長の運動不足解消グッズになりました(^^)

モケと社長.jpg


タグ:製本 美篶堂
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